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五年大祭

 五年大祭は、海の町に住み海と共に生きる人々が安全を祈願し、海の恵みへの感謝の意を表すため、綾里の旧村社である天照御祖神社(あまてらすみおやじんじゃ)を奉納先として5年に一度、盛大に開催されるお祭りです。  大祭の歴史は古く、始まりは昭和六年までさかのぼり、五年に一度の大祭は戦時中なども欠かされることなく、今日まで執り行われて来ました。  大祭は、大漁旗を掲げた船団による海上パレードから始まり、神輿や山車、日本一大きな権現様などが町に繰り出します。町を練り歩く行列では、三陸小唄や手踊りが華やかな彩りを加えます。5年に一度だけ開催されるので、大祭にはとても熱が入ります。  次回は、平成28年6月に開催される予定ですので、皆様のお越しをお待ちしています。

権現様

 権現(ごんげん)とは神や仏の化身が人々を救う為に、様々な姿に身を変えて、現世に現れることを意味します。 
 綾里では、荒ぶる海の「魔(嵐や津波)」を鎮め、祓い、漁業や航海の安全を祈るとともに、生活の糧をもたらす海への感謝の念を表す郷土芸能として、「権現舞」が古くから親しまれており、正月に「悪魔(あくまん)祓い」と称して各家々を回ったり、結婚式などのおめでたい席や五年大祭などで披露されたりしています。 
 一見、獅子舞に似ていますが、大きく異なるのは権現頭(獅子頭に相当)が赤くないこと、獅子舞は二人(4本足)で舞いますが権現舞は3人(6本足)で舞うことなどです。6本足というのは、腕が6本ある神様の阿修羅が姿を変えたからだとも言われています。 
 当地へは、権現様が 
 ・空を飛んで来て天照御祖神社の木の枝に引っかかっていた 
 ・難破船から流れ着いた宝物と一緒にたどり着いた 
 と伝えられ、その権現頭は天照御祖神社の宝物として残っています。 
 実際には、山伏達が伊勢から当地に伝え広め、江戸時代に現在のスタイルとなったようです。 
 綾里では9つの地区で権現舞が伝えられていますが、地区ごとに権現様の顔つき、舞い方、お囃子の音色が異なっており、五年大祭では全ての地区が一同に会して九者九様の権現舞が披露されます。

日本一大きな獅子舞 綾里大権現

 

 綾里の人々に愛される権現様を故郷のシンボルとして、平成8年に日本一大きな動く権現様が作られました。
 この大権現は、権現頭(頭部)だけで高さが約2m、重量は200kgもあり、その頭部を専用のショベルカーのアームの先端部分に取り付けて権現様の舞を再現しますが、アームが伸びたときに体の大きさは10m以上になり、見上げるほどの大きな姿になります。
 中身はショベルカーでも操縦者の高度なテクニックによって、機械らしさは感じられないほどに動きはとても滑らかで、巨大な大権現がまるで生きているかのように華麗に舞う姿は、見る者を圧倒します。